神聖ローマ皇帝【早覚え完成】A

教科書レベルでいきます。山川出版の世界史の教科書から、本文に言及されている『神聖ローマ皇帝』をすべて抜き出してみました。特にねらいとするところは

『あちこちでたまに出てくるので結局何人いたかはっきりしない!』

『他の国の国王とかぶって数字も覚えにくい!』

これの克服です。 →『テンプレ世界史』の目次ページ


*先ず、とりあえずは簡単な流れを書き出してみます。後から説明するので初めは読み流してもらっていいですよ。覚えた後で確認するのには役に立つと思います。

【神聖ローマ皇帝】
<前身のフランク王国から>

[メロヴィング朝]
クローヴィス(481)

宮宰(カール・マルテル)
→トゥールポワティエ間の戦い(732)[カロリング朝]
ピピン751年
→ランゴバルド破りラヴェンナ寄進(752)

カール大帝(シャルルマーニュ)

1. ランゴバルド王国征服 774年
2. ザクセン人服従 791年
3. アヴァール撃退
→カールの戴冠(西ローマ復活) 800年
フランク王国分裂
シャル2・ロタ1・ルートの2(左から→YouTube音源)

東フランク王国
ルートヴィヒ2世
*カロリング朝断絶
→選挙

[ザクセン朝]
オットー1世

1. マジャール撃退
2. スラヴ撃退
3. 北イタリア制圧

→神聖ローマ皇帝帝冠 960年
<ここから神聖ローマ帝国>

[フランコニア(フランケン)家]
ハインリヒ4世
・ローマ教会破門
→カノッサの屈辱 1077年

[ホーエンシュタウフェン家]
フリードリヒ1世(赤髯王)

・レニャーノの戦い1176年
→ロンバルディア同盟と戦闘
・コンスタンツ条約 1183年
→神聖ローマ皇帝を認める代わりに都市に自治権を与える。


<大空位>

・ブランデンブルク辺境伯領成立
・ドイツ騎士団領成立
・スイス独立闘争など帝国内外で自立の動きがさかんになる


[選挙制]
カール4世(1356年) ルクセンブルク家
・金印勅書(1356)→聖俗七選帝侯

[ハプスブルク家]

カール5世(1519〜1556)

・スペイン王カルロス1世
・ヴォルムス帝国会議にルターを呼び出す 1521年
・イタリア戦争(1494〜1559)
・オスマン帝国のウィーン包囲(1529)
・アウグスブルクの和議 1555年


*ハプスブルク家が<スペイン系・オーストリア系>に分かれる。

三十年戦争(1618〜1648)
→ウェストファリア条約
・諸侯国にほぼ完全な主権が与えられる。
→ハプスブルク家はオーストリアに限定される。

[パプスブルク=ロートリンゲン家]

マリア=テレジア(1740〜80)
・オーストリア継承戦争
・七年戦争
ヨーゼフ2世(1795〜90)
・啓蒙専制君主

アウステルリッツの三帝会戦(1805)
ライン同盟結成(ナポレオン主導)
→オーストリア皇帝の地位を放棄
→神聖ローマ帝国消滅

全体

① まず、上の王朝名と王様の名前が全部言えるようにします。これがとりあえずこのページの目標です。これをAとします。

② 更に、それぞれの王様にその代に起こった主な事績を結びつけて、ゴロ合わせ年号も覚えてしまいます。これで神聖ローマ帝国の歴史のおおまかな絶対軸ができる訳です。これがBです。

A段

① 上の流れはそれぞれ「王朝」ごとにまとめられているので、まず初めに「王朝名」を覚えなくてはいけません。こうおぼえます。

ザクセン・フランコ・ホーエンシュタウフェ・ハプスブルクにロートリンゲン

YouTubeの音源はこちらにあります。

単純ですが、だからこそ重宝します。それぞれ順番に正しい王朝名に直してみると

・ザクセン → ①ザクセン朝
・フランコ → ②フランコニア朝、またはフランケン朝
・ホーエンシュタウフェ → ③ホーエンシュタウフェン朝
・ハプスブルク → ④ハプスブルク朝
・ロートリンゲン → ⑤ハプスブルク=ロートリンゲン朝

となります。

言うほどではありませんが、省略している部分があるので、その部分は、『フランコ』なら『フランケン(フランコニア)朝』、『ホーエンシュタウフェ』なら『ホーエンシュタウフェン』というようにきちんと言いかえられるようにします。


② 王朝名を覚えたら、次は国王名ですが、①の王朝名には『メロヴィング朝→カロリング朝』が入っていませんね。これらは『フランク王国』の王朝名です。

『フランク王国』が三つに分裂して、つまり端三つに離れ (843ヴェルダン条約 870メルセン条約) て、今日の「フランス」「イタリア」「ドイツ」のもとになる3つの領域が成立します。

今回の神聖ローマ帝国は、三つに分裂した内の『東フランク王国』の国王オットー1世がローマ教皇から皇帝として帝冠を与えられたことで、カール大帝の帝国を継承したものです。

で、オットー1世を『神聖ローマ帝国』の始まりと考えるならば、『神聖ローマ帝国』の始まりはザクセン朝から、ということになるので、①の王朝名にはメロヴィング朝・カロリング朝が入ってないわけです。


③ ザクセン朝以降、フランコニア朝、ホーエンシュタウフェン朝と様々な皇帝の名前が出てきますね。今回はこれらを全部まとめて「フレーズ」で固めてしまいます。これでとりあえずこのページの目的は達します。

YouTubeにあげている専用の音声教材を使います。フレーズはこれです。

おっと這い寄るフリどっからヨコマジや照れるわ、よせニーサン

*アホくさいフレーズで申し訳ないですが…(汗)。効果は絶大です。生徒さんで実践済みですからね。

初めに『教科書レベル』と書きましたが、この数十分間で『神聖ローマ皇帝名』について完璧な、忘れない知識が身につくと想像してみてください。

すべての土台がしっかり固まれば、後からいくらでも知識を付け足すことは可能です。つまり、これができれば『神聖ローマ』は自然とあなたの得意分野に変わっていきます。では、解説です!

① はじめの『おっと』これは『オットー1世』のことです。
② 次の『這い寄(ハイ・ヨ)』の『ハイ』は『ハインリヒ』『ヨ』は「4(ヨ)」です。つまり『ハインリヒ4世』のことです。
③ 『フリど』は『フリードリヒ1世』です。原則としてフレーズに数字がない場合は『1世』です。
④ 更に『から』は『カール』で『ヨコ(4・5)』を付けてそれぞれ『カール4世』と『カール5世』となります。
⑤ 『マジや照れるわ』は『マリア=テレジア』ですね。『るわ』を『ジや』に入れ替えると「マジや照れジや」ますます似てますね。
⑥ そして最後!『よせニーサン』が『ヨーゼフ2世』です。

*まとめとして書いてみると、

おっと → ①オットー1世
這い寄(る)→ ②ハインリヒ4世
フリど → ③フリードリヒ1世
からヨコ→ ④カール4世・5世
マジや照れるわ → ⑤マリア=テレジア
よせニーサン→⑥ヨーゼフ2世


*どうでしょうか?意外と簡単でしょ?これらがすらっすらいつでもどこでも取り出せるようにして下さい。

これができれば加えて

イギリスの国王【早覚え完成】A

フランスの国王【早覚え完成】A

ローマ教皇 【早覚え完成】 A

スペイン国王①

などをやれば、ヨーロッパの国王の主だったメンツは出そろってきますので、何世何世とわずらわしい名前を一気に全滅できます。

*もちろん、それらの国王が何をしたのかという『色づけ』はこの後にやります。

このように初めに全体の知識の『概形(がいけい)』をつかんで、あとからより詳しくしていくやり方を『テンプレ世界史』方式と言います。

*最初ののまとめをよく見てもらえば分かりますが、パプスブルク=ロートリンゲン朝以外は、各王朝で皇帝は一人ずつ覚えればよいことになっています。

更に、パプスブルク=ロートリンゲン朝は「名前が二つに分かれているので皇帝も二人覚える」と考えると、王朝との対応がばっちりです。

こうやって、対応させることは、神聖ローマ帝国の歴史の全体の流れをつかむのにとても役に立つので、これもすらっすらできるようにしましょう!

*では予告通り、次の『B段階』に進みます。

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