*YouTubeに音声教材をあげています。こちらです。
*前半と後半に分けて進めます。そもそもこれらは前半・後半で二篇組みなので、ぶっ続けで覚えなくても別々でいいんです。
まあ、慣れてしまうとめんどくさいので自然とぶっ続けで言うようになるので、それが自然な進み方です。
*上の地図の地名については次のページを確認してください。こちらです。
[前半]
トロクレミケーネ
青銅使って小アジクレタとギリシャの本土
トロヤクノソスファイストス
ミケーネティリンス中心地
①『トロクレミケーネ』は『トロヤ』『クレタ』『ミケーネ』を続けて言ったものです。
エーゲ文明といったらこの三つです。常識的には、この三つがまずさらっと出てくるかどうかで「エーゲ文明を多少知っている」かどうかが決まるようなものです。『トロクレミケーネ』は成立時代順になっています。アホっぽいですが、結構このフレーズ優れ物です。
②『青銅使って』何でもない一言ですがこれでこれら3つの文明が『青銅器文明』の段階にあったことが覚えられます。
③『小アジクレタとギリシャの本土』というのは『トロヤ』『クレタ』『ミケーネ』3文明の場所を簡単に言ったものです。前から順に『小アジア』『クレタ島』『ギリシア本土(ペロポネソス半島)』です。
*フレーズでは言いやすいので『ギリシャ』と言いますが全て『ギリシア』と考えて下さい。
④『トロヤ・クノソス・ファイストス・ミケーネ・ティリンス中心地』はそれぞれの中心地を言ったものです。『クノッソス』以外はそのままです。『トロヤ』は『トロイア』の方がいいでしょう。
トロヤ→トロイア
クレタ→クノッソス・ファイストス
ミケーネ→ミケーネ・ティリンス
となります。
全て出だしのカタカナ1字が同じなので、見分けが付き易いですね。
[後半]
シュリマンエヴァンズシュリーマン
ドイツがイギリスドイツ人
後ろの2つが線文字AB
Bを読んだのヴェントリス
① 後半も『トロクレミケーネ』の順番に知識を並べる仕様になっています。『シュリ(ー)マン・エヴァンズ・シュリーマン』がそれぞれの発掘者、『ドイツがイギリスドイツ人』がそれらの発掘者の国籍です。
トロヤ→シュリーマン(ドイツ)
クレタ→エヴァンズ(イギリス)
ミケーネ→シュリーマン(ドイツ)
となります。
②『後ろの2つが線文字A・B』ですが『トロクレミケーネ』の後ろの二つは『クレタ』と『ミケーネ』です。これら二つにそれぞれ『線文字A』『線文字B』が対応します。
③ 更に『Bを読んだのヴェントリス』で『線文字B』の解読者はヴェントリスです。『ドイツがイギリスドイツ人』で『イギリスが一つ少ないのでヴェントリスはイギリス人』と覚えます。『線文字A』は未解読です。
クレタ→線文字A :未解読
ミケーネ→線文字B :ヴェントリス(英)が解読
こうなります。
補足
① まず教科書にはエーゲ文明は『クレタ島』で栄えたと書いてあります。この時点で『教科書そのまま』ちゃうやん、ということです。実際にはトロヤ文明が前2600年頃、クレタ文明が前2000年頃からでトロヤ文明のほうがまぎれもなく古いには古いのですが、トロヤ文明は小アジアですし、色々と『ものいい』が付いているいわくつきの文明で消極的なふれ方にならざるを得ません。まあ、大人の事情です。
このフレーズでは、古典的な並べ方『トロクレミケーネ』の順番にしました。
古典的…百年くらい前なんかな。
② クレタ文明の『クノッソス』は『クノッソス宮殿』で有名です。宮殿には城壁がなく、壁画にはイルカやらウシやら戯れる人物が描かれていたりと『明るく開放的な海洋民』であったと考えられています。『海にもグレタ明るい奴ら(クレタ文明)』と覚えましょう。
③ ミケーネ文明はこれと違い巨石で城塞王宮を作ったりとかなり戦闘的です。これらはまぎれもなくギリシア人ですね。まあこれが世界のデフォかもしれませんが。『戦闘的でミケーネいけんねー』と覚えましょう。こういう馬鹿なフレーズが後々結構ジャブで効いてきますからね。ミケーネには『ミケーネ・ティリンス』に加え教科書には『ピュロス』というのが書いてあります。これを覚えると『ピュ(1)ロ(6)ス(世紀)』でミケーネ文明は前16世紀からと覚えられます。
④ ミケーネ文明の線文字Bの解読からここの小王国では『貢納王政』という形がとられていたと分かっています。(貢納:みつぎもの)
1.王様が役人を使って村々から農産物・家畜・手工業品をとりたてる。
2.それらのとりたてた『貢納』を元手にして王宮の役人・職人・奴隷を養う。
とまあ、こういうことです。
⑤ これらの文明は前1200年頃までには全部滅んでしまってギリシアは混乱した世界に入ります。400年近く続いたという『暗黒時代(初期鉄器文明)』です。人口も激減し、ミケーネ文明の線文字Bも忘れ去られ完全に『リセット』された訳です。
そうした1度滅亡した世界の中から、次第に再構築されて新しくできてきた世界がギリシアのポリス社会だということになります。
古代文明というと自然発生した純粋なイメージがありますがこの時点で十分『雑種』だということです。面白いですね。