年語呂年註―ゴロ合わせの基本的なルール(規則)―

*家庭教師を始めてすぐの頃に作った中学生用の歴史語呂合わせのPDFです。

『中学生用歴史年号語呂合わせ』PDF版

このPDFの一番最後に歴史年号語呂合わせを作る上でのルールが書いてあります。

基本的にはこの最初期のルール(規則)にそって語呂合わせは作ってきているので原則としてはこれを参考にして下さい。一応下に載せておきましょう。


《この歴史年号語呂あわせの特徴》

できるだけ実際の歴史上の出来事に関係のある内容にしている。

年号の語呂合わせには、たいてい歴史の内容とはまったく関係のない言葉が出てきます。例えば「五組の級長聖徳太子」といった具合です。これでは、聖徳太子が一体何をしたのかわかりません。だから、実際の歴史を知っている学生の中には、語呂合わせ自体にとっつきにくいという場合も起こってきます。この語呂あわせでは、ひとつひとつの語呂が、できるだけ実際の歴史の内容から離れないように作ってあります。これから歴史を勉強しはじめる場合でも、語呂を覚えるだけで、ある程度の歴史の知識が身につくようにしています。覚える甲斐がある言葉というわけです。

数字に対応する音をあらかじめ決めて、重複がないようにしている。

語呂合わせでは、たとえば「い」の音をあるときは1 と読ませ、別のところでは、5 と読ませる、といったことをしている場合があります。これではせっかく語呂を覚えても数字に直す際に、1 なのか5 なのか分かりません。この語呂あわせは、あらかじめ、どんな数字を何と読むかを決めた上で作られています。対応は下のとおりです。

1 ひとつ・ひと・ひど・びと(ぴと)・ひ(び・ぴ)・い・いち・はじめ
2 に・ふ・ふた(ふたつ)・じ・つ(つー)
3 さ・ざ・さん・ざん・み・み
4 し・よ(よん)
5 ご・こ
6 む・ろ・ろく
7 な
8 は・ば(ぱ)・わ・や
9 く・きゅう・
0 れ(れい)・お(オウ)・まる・ま
10 と・ど・とう・じゅう

できるかぎり五七五の音になるようにした。

日本語は不思議と五七五のリズムがぴったりくるようにできています。このリズムに合わせて口にだして何度も言えば覚えやすいはずです。

できるだけ、連続した音で語呂になるようにした。

できるかぎり、一続きの音で語呂を作れるのが望ましいのは言うまでもありません。この語呂あわせでも、その努力はしましたが、間に除くべき音が入っている場合もあります。ただし、例えば「向かってみれよ唐の国」のようにはさまれた「カッテ」の部分に数字になる部分がないため、飛ばすことはカンタンにできる、というものがほとんどです。特別な覚え方をするものは本当にいくつかしかないので、意識すればたいしたことはありません。むしろ、そういうタイプの方が意識するので早く覚えるものです。

すでに、世間にいきわたっている語呂合わせはそのまま採用した。

語呂はあくまで年号を覚えるための手段ですから、もともとみんなが知っているような語呂あわせの代わりに別の語呂あわせを用意する必要はないでしょう。「鳴くよウグイス」とか、「いい国つくろう」などは、みんなよく知っているものなので、そのまま採用しました。他の語呂も覚えやすければ、補助的に利用すればいいと思います。はじめに挙げた「五組の級長聖徳太子」も印象に残っていれば、使って下さい。1221 の承久の乱とか1333 の鎌倉幕府滅亡、1919 ベルサイユ条約などは、年号自体からも覚えやすかったりします。この場合は、語呂のほうが、補助になるわけです。

【使い方のポイント】

次の①~③が基本的な学習法でしょう。音声ファイルについてはゆっくりしているときなど、時間のすきまを見つけて、気にせず流しっぱなしにしておくだけで効果があります。自然に耳になじませることが大事です。

語呂あわせを耳で聞いて、年号、歴史上の出来事がいえるようにする。
年号を見て、語呂合わせ、歴史上の出来事がいえるようにする。
歴史上の出来事を見て、年号が言えるようにする。

*覚える際に、数字に変える場所は意識して強く発音して覚えておく。数字部分だけ取りだして言えるようにしておくもいい。例えば、ベトナム戦争はイクムレ、寛政の改革はイーナヤナだった、という感じ。
*語呂合わせとその歴史上の出来事とのつながりは、すべてつながるようにしておく。そのため、一応、語呂は全部言えることをめざす。

現在の立場―特に『テンプレ世界史

*上にも書いたように『原則的には』語呂合わせのルール(規則)は最初期の通りで変わっていません。然し、『最初期のもの』と比べるとこの規則はかなり弛緩して来ています。その理由は以下の通りです。

① まず、実際にまとまった一群のフレーズを覚えていく際には、大体年号の数字の若い方から順番に覚えていきます。すると、前後の語呂の年号から間の年号の大体の年代が推測されてきます。また、特に1000年を過ぎてからの年号は『』とか『』とか『』いった文字が始まりになるのでこれを意識すれば、フレーズの途中から語呂が始まったとしても、フレーズから年号を引き出すのに左程困ることはない訳です。一度年号を引き出す作業に慣れると、単品でも十分活用できるようになります。

例)鉄砲伝来の年号を覚えるのに『銃御予算で買い入れる』というのがあります。これは『じゅう』を『10』だと考えると『1054年』とすることも可能です。でも、鉄砲伝来が戦国時代の出来事だ、と知っているか、または覚える段で『人世虚しい応仁の乱』と『以後よく広まるキリスト教』に挟まれているのを意識すれば『1543年』とスンナリ引き出せる訳です。

② また『自分のナレーションで音声教材』を作ったことも、大きく影響しています。自分でナレーションをすると<音声読み取りソフト>を使うよりも微妙なイントネーションやリズムが表現できてしまいます。『五七五』のリズムに合わせるというのはもともとフレーズを覚えやすくするための規則だったので、リズムさえよければ必ずしも『五七五』でなくてもよいことになります。ともかく『音声教材』で耳から学習する学習効果は『絶大』です。これによって語呂フレーズを体にしみこませ、かつ、時間をとって確実に覚えてしまえば、

1.人物・出来事→語呂フレーズ→年号引き出し

2.語呂フレーズ→年号引き出し→時代・人物・出来事と対照

あとは『語呂フレーズ→年号引き出し』の工程をがっちり固めれば、いくら覚えても語呂フレーズは働いてくれます。

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