イスラームの国の変遷 ② アフガンイラン

YouTube 音声

音声ファイルはこちらです。『フレーズ確認用』はこちら。

YouTubeのリンクから来られた方は次の「フレーズ」の説明にお進みください。

これは『テンプレ世界史』シリーズのひとつです。他をまだご覧でない方はこちらもあわせてどうぞ。
特に、今回のフレーズは、前回の『イスラームの国の変遷①』の続きという位置づけですので、世界史の学習で必要な方はそちらとあわせて使うといいと思います。
また、イスラーム教以前の同地域の歴史は、『セレウコス朝シリアからイスラム帝国へ』がそれに当たります。

フレーズ

今回のフレーズは、前回の「イスラームの国の変遷①」の続きという位置づけです。

です。

①「ホラズム」は「ホラズム朝」です。
②「イルチャガタイ」は「イル＝ハン国」と「チャガタイ＝ハン国」です。
③「ティムール」は「ティムール朝」です。
④「サファビ」は「サファヴィー朝」です。表記に注意しましょう。書くとき初めから「サファヴィー」で覚えておいてOKです。
⑤「アフシャル」は「アフシャール朝」、「ザンド」は「ザンド朝」になります。
⑥「デュラニ」は「デュラニ朝(ドゥッラーニー朝)」「カジャール」は「カージャール朝」です。「デュラニ朝」がアフガニスタンの王朝「カージャール朝」がイランの王朝です。
⑦「アフガン」は「アフガニスタン」の略です。
⑧「イラン」は「イラン王国(パフレヴィー朝)」と、現在の「イラン=イスラーム共和国」をまとめています。

ねらい

今回の個別フレーズの「ねらい」については、初回の『オリエントの国の移り変わり 』の「ねらい」に準じるものとします。ご覧でない場合はそちらを確認してください。

① 発展で各王朝の首都を覚えたい場合はこのページです。
② 各王朝の成立・滅亡年を覚えたい場合はこのページです。
＊なお、『テンプレ世界史』のねらいや説明など、詳しくはこちら『テンプレ世界とは？』をお読みください。

注意

初めに書いておきます。前回もそうですが、現代の国の名前と位置が分からないと、世界史の説明は少し難しく感じると思います。もし自信のない方はこの「西アジアの国名の鼻歌」の「もとになったPDF」でイラン・アフガニスタンの場所を確認しておいてください。
歌は「日本の周辺アジアの国の鼻歌」に入っています。
世界史では「現代の世界の国名」と「世界の地名」はすごく重要です。地名は教科書などで出てきたときに地図帳で調べるとしても、国名は先にすべて覚えておいた方がいいですよ。

流れ

「ホラズム朝」から「アフシャール朝」まで、アフガニスタンとイランの王朝は、ほぼ同じです。

ホラズム朝→イル＝ハン国・チャガタイ＝ハン国→ティムール朝→サファヴィー朝→アフシャール朝→（ザンド朝）

その後、イラン・アフガニスタンそれぞれの王朝は、

（アフガニスタン）デュラニ朝(ドゥッラーニー朝)

（イラン）　　　　　カージャール朝

と二手に分かれます。

・注釈

① もし「チャガタイ＝ハン国は、アフガン・イランの流れには入らないんじゃないの？」という疑問をもつなら、それは正しいです。これはモンゴル帝国から生まれた中央アジアの国で、その頃のアフガン・イランはすべてイル＝ハン国に含まれます。
では、なぜこんなことになっているかというと、実は「ホラズム朝」から「ティムール朝」までは中央アジアを含めたフレーズとして作っていて「サファヴィー朝」以降から、中央アジアをはずしてアフガン・イランにしぼってフレーズを作っているからです。
「ティムール朝」後の中央アジアの流れは「中央アジアの国の変遷」で別に扱うことにしています。覚えるフレーズが少なくて済むようにするための工夫です。

② 「ザンド朝」はイランの王朝ですが「アフシャール朝」の「次」ではなくてその領土の一部(イラン南東部)が自立して王朝を建てたものです。「ザンド朝」は「アフシャール朝」と並んで存在していました。つまり前の「アフシャール朝」のおまけ的な感じで覚えてしまうといいと思います。
その前の「サファヴィー朝」も「アフシャール朝」もアフガニスタンを含んではいますが「ザンド朝」と同じく基本的にはイランの王朝です。
ということで「サファヴィー朝」から「ザンド朝」まで、イランを拠点にして出てきた王朝が続いています。

③ そして最後に「デュラニ・カージャール」と来て初めて「アフガン・イラン」と前・後ろで対応するように作っています。つまり、フレーズの言い方で言えば、それぞれ「デュラニ朝」のなれの果てが「アフガン」で「カージャール朝」のなれの果てが「イラン」だ、という位置づけになっています。

年代

＊各王朝の成立・滅亡年を覚えたい場合はこのページです。

ホラズム朝 (1077年～ 1231年)
イル＝ハン国 (1250年代～ 1330年代)
チャガタイ＝ハン国 (13世紀前半～ 17世紀)
ティムール朝 (1370年～ 1507年)
サファヴィー朝 (1501年～ 1736年)
アフシャール朝 (1736年～ 1796年)
ザンド朝 (1750年～ 1794年)
デュラニ朝（ドゥッラーニー朝）(1747年～ 1826年)→アフガニスタン
カージャール朝 (1796年～ 1925年)
→パフレヴィー朝 (1925年～ 1979年)→イラン